銭湯のローカルルールを面白おかしく伝えよ!!

「SAVE THE 銭湯!」 とは?
このWEBマガジンは各業界の先頭集団といえるクリエイターや有識者たちと、
銭湯の新しい価値を模索する銭湯集団・日の出湯との対談で成り立つコンテンツ。
毎週水曜日(最終水曜日はお休み)に更新しています。

VOL.10 対談 GUEST

  • 佐藤 孝治
    (株式会社ジョブウェブ 代表取締役会長)
  • X
  • 田村祐一
    (日の出湯経営者/SAVE THE 銭湯!主宰)

銭湯でアイデアのブレイクスルーを!!

対談10 佐藤 孝治 with WEEK3
銭湯のローカルルールを面白おかしく伝えよ!!

先週に引き続き、今月の対談は株式会社ジョブウェブ代表取締役会長の佐藤孝治さんをお迎えしてお話を聞いております。
先週の対談はこちら
今週の対談は佐藤さんが聞いた「銭湯に行かなくなった理由」の事例について迫ってみました。銭湯をもっと使いやすくするアイデアとは??

銭湯のルールをマニアックにこだわり集める!!

田村祐一 (以下 田村):
(先週からのつづき先週の記事は→こちら
お風呂あがりにマッサージってすごくいいですし、銭湯も空きスペースを使ってサービスの拡充につながりますからね!
実は「SAVE THE 銭湯!」のインタビューでマナーについての話がよくでるんですが、マナーの周知について聞かせてください。
どうしたら銭湯ユーザーのマナーが今よりもっと向上するとおもいますか??

佐藤 孝治 (以下佐藤):
たしかに、マナーの話はよく出てきていますね。
やはり僕も銭湯に限らず「マナーが悪くなっている」、と感じることもあります。
というよりも、マナーを知らない人が増えたんではないでしょうか?

田村:
やはりそう感じていますか。

佐藤:
そうですね・・・。マナーとは少し話がずれるんですが、先日学生と一緒に銭湯に行ったんですよ。
そこで学生に、「銭湯はよくいくのか?」と、聞いたところ「行かないです」と答えたんですよ。
そこで、「なんでいかないのか?」と尋ねたら、
昔、銭湯でこっぴどく叱られたことがあったみたいで、それが銭湯に行かなかった原因になってるみたいなんですよ。

田村:
なるほど、それは残念ですね・・・。

佐藤
銭湯って基本的なマナー以外にもローカルルールみたいなものがありますよね?
それが銭湯によって違うと感じることがあるんですよ。
例えば・・・、椅子と桶は使ったら片付けるのがルールのお店と、すべてのカランの前に置いてあるお店。席をキープしてOKの店と、キープしてはいけないお店。
結構お店によって違いますよね??
それに常連さんが勝手にローカルルールを作っていたりして(笑)

田村:
たしかにそうですね。お店によって違うルールがあることも事実です。
そして常連さんが勝手にルールを作ってることもあります。
いやいや、うちにそんなルールないから!(笑)
みたいなこともありますね。

佐藤
そこで僕は「銭湯のルール」というものをつくったらいいんじゃないかと思うんですよ!
「怒られない入り方はこれだ!!」みたいな感じで。
JTの大人たばこ養成講座ってありますよね?
あんな感じで、ちょっと面白くポスターや小冊子などを作ってみてはどうでしょうか?

田村:
それはいいですね!!
銭湯側もマナーやルールが当たり前すぎて、説明できなくなってきてるところもありますからね・・・。
なんでそんなこともわからないんだよ・・・。
と、思っても、その人が誰からも教わらなかったら知らないのは当たり前の話ですよね。

佐藤
銭湯のルールをマニアックにこだわって集め、それを楽しく広げていくと、初めて行く人はすごく行きやすくなるんじゃないでしょうか??
行きやすくなれば、銭湯ユーザーが増えて、この活動もまさに「SAVE THE 銭湯!」ですよ!

week3_1

もしも佐藤孝治が銭湯オーナーだったら??

田村:
銭湯がすごく身近に行きやすい場所になる。
安心していける場所になっていくことは、まさに「SAVE THE 銭湯!」ですね!!
どんどんやっていかないといけませんね!
もしも佐藤さんが銭湯オーナーだったらどんな銭湯にしたいですか??

佐藤
僕はですね、1つは超ピカピカにしたいですね!!「うちは磨きが違うんだ!」というこだわりをもちたいです。
ここは天国か・・・?なんて勘違いしてしまいそうな、湯気がもわ〜っと立ち込めていて窓から差し込む光が合わさった、なんとも言えない浮遊感のあるようなそんな銭湯にしたいですね。

田村:
銭湯というのは、「癒やしの場」でもありますからね。
天国と勘違いしてしまいそうなお風呂というのは究極の癒やしの場かもしれませんね!

佐藤:
他にはコミュニティの価値を重視したいですね。

田村:
コミュニティの価値ですか??
具体的に言うと???

佐藤
銭湯というのは、ひとつの地域コミュニティですよね?
銭湯という場所がお客様と仲良く会話したり、地域交流の場の核となるために飲み会や交流会などやってきたいですね。

田村:
なるほど、たしかにそういう場があれば、お店の人とお客様だけでなく、お客様同士なかよくなれそうですね!

佐藤
えぇ、季節によっては、クリスマス会をしたり忘年会をしたり、お花見なんかもいいですね!
お正月には餅つきをして、夏はBBQ。そういった交流会を通じて、お客様同士の、「いつも会うけど、しゃべったことはないんだよなぁ」という微妙な状態を解消していきたいですね。

田村
見たことあるけど、話したことはない。これは本当によくあると思います!!
お客様同士で仲良くなっていただけると、銭湯がどんどん楽しいところになっていってくれますね!

佐藤
そうなんです、この前電車に乗っている時に、「あの人、なんか知っているけどだれだっけ?」ということがあったんですけど、全然わからなくて・・・。
しばらくして銭湯に行った時に、その人がいたんですよ。
「あぁ、銭湯で会う人だったのか!(笑)」
ってことがありました。そういうのを無くせたらもっと銭湯っていいとこになる気がします!

week3_2

300年後の日本に残したい銭湯。

田村:
確かに銭湯が地域コミュニティの核となり知り合いや友達が増える場所になっていけばもっと素晴らしい場所になりえますね!!
最後に、銭湯の未来のカタチについて聞かせてください。
今後銭湯はどうなっていくとおもいますか?また佐藤さん自身はどうなってほしいですか?

佐藤:
僕の希望としては、200年後300年後の日本に銭湯は残っていて欲しいですね。
それも今の形というか、昔の銭湯の形のままで残っていて欲しい。

田村:
なるほど、伝統ある銭湯を文化として200年後300年後の日本に残したいということですね?

佐藤:
えぇ、そうです。
色んな意味でコストパフォーマンスなどを考えるとビル型にしたほうがいいのかもしれません。
ですが、やはり伝統ある形を残してほしい、生きた博物館として残すことが価値あることなんじゃないかと思ってます。

田村:
たしかに、ビル型にして上にマンションなどを建てるほうが経営は安定するかもしれませんね。
銭湯を残す方法としてはそれも1つの手段でもありますしね。
でもそこは敢えて昔のままの形で残していく、京都のお寺のように1300年の歴史があります!
という感じでしょうか?

佐藤:
そうです!1300年の歴史があります!
そんな銭湯あったらすごいじゃないですか!!しかも現役で!!
絶対に入ってみたくなりますよ!!
僕らは絶対に入れないんですけど(笑)

田村:
絶対にはいれませんね、1300年どころか200年後300年後も(笑)

佐藤:
とは言え、全部そのまま昔の形で銭湯を残すというのは難しいでしょうね。
だから、東京駅のように外側だけでもうまく昔の形のままで残ったら本当に素敵ですよね!

田村:
ほんとそれはいいですね!
水回りだけに本当に保存していくことは難しいです。
それでも外側だけ、見た目だけでも、残していけたら素晴らしいですよね!!
1300年後の未来にむかって「SAVE THE 銭湯!」もつづけていかないといけませんね。
本日はお忙しいなかありがとうございました!!
すごく楽しかったです!!

佐藤:
いや〜本当に銭湯の話題に花が咲きましたね。
楽しかったです!
こちらこそありがとうございました!!

week3_3

佐藤 孝治 (株式会社ジョブウェブ 代表取締役会長)

1972年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。
就職活動後、大学4年生の96年10月ジョブウェブを創設。
97年7月アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
99年10月ジョブウェブを法人化し代表取締役社長就任。
以後、学生の就職支援と企業の採用支援を通じて、 学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。
2013年7月より代表取締役会長に就任。
著書に「<就活>廃止論(PHP出版)」「内定の原則(英治出版)」等。
公益財団法人日本ユースリーダー協会 常務理事
一般社団法人アスバシ教育基金 理事

関連WEBサイト
いつもの枠からはみ出た就職活動を『Jobweb』
BLOG<就活>廃止論ブログ
海外インターン、海外就職なら『AJITORA』
~もっと刺激的で、もっとオモシロイ毎日がアジアにある~

ぜひ「いいね!」を押してください。
社会で活躍したい学生のための有給インターンシップ『sfirm』

編集後記

銭湯が大好きな佐藤さんへのインタビューは本当に銭湯の話題に花が咲きました。
最先端の設備を備えた銭湯や、歴史ある佇まいを残した銭湯。また銭湯のある場所は匂いでわかる!などマニアックなお話も飛び出したくらいです。
銭湯を愛する佐藤さんへのインタビュー、しっかりと未来に銭湯を残せるようにこれからも「SAVE THE 銭湯!」という活動をしていこうとおもいます!

来月の「SAVE THE 銭湯!」は10月2日の配信予定です!!
最後までお読みいただきありがとうございました!!

田村 祐一

田村 祐一SAVE THE 銭湯!主催者

投稿者プロフィール

1980年東京都大田区生まれ。
東京蒲田にある大田黒湯温泉第二日の出湯の四代目、銭湯の跡取りとして生まれ育つ。
大学卒業後、家業である有限会社日の出湯に就職。26歳の時に取締役に就任。
2012年5月より創業の地である浅草にある銭湯、日の出湯のマネージャーとして銭湯経営再建に着手。
2012年11月、銭湯を日本の未来に残すプロジェクトの一環として銭湯の未来をつくるWEBマガジン『SAVE THE 銭湯!』を創刊。

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