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いま「銭湯」に求められているのは、雑談ができること
- 2016/9/14
- SEASON2, Vol13株式会社オムスビ
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- 「SAVE THE 銭湯!」 とは?
- このWEBマガジンは各業界の先頭集団といえるクリエイターや有識者たちと、
銭湯の新しい価値を模索する銭湯集団・日の出湯との対談で成り立つコンテンツ。
毎週水曜日(最終水曜日はお休み)に更新しています。
VOL.13 対談 GUEST
- 羽渕彰博
(株式会社オムスビ founder) - 駒井亮
(株式会社オムスビ co-founder) - X
- 田村祐一
(日の出湯経営者/SAVE THE 銭湯!主宰)
ファインディング銭湯! 今、求められる銭湯のあり方を発見しよう。
対談13 WEEK2
いま「銭湯」に求められているのは、雑談ができること。
先週のSAVETHE銭湯はこちら。→先週のSAVETHE銭湯!
今回のSAVETHE銭湯では、いま銭湯に求められているもは一体何か?
そして、それはなぜ求められているのか?に迫ってみたいと思います。
ゲストは先週に引き続き、株式会社オムスビのお二人です。
羽渕彰博(以下 羽渕):
そもそも銭湯はなぜ生まれたんですか?
田村祐一 (以下 田村):
もともと「普通公衆浴場」とよばれる銭湯は、
家庭にお風呂がなかったのが当たり前だった時代に、人々の生活衛生を保つために生まれた施設だと言われています。
羽渕:
そうなんですね。
田村:
でも今は家にお風呂があるのが当たり前になっても、そのまま続いているんです。
東京都の自家風呂普及率は98%以上とも言われていますが、
それでもまだ、お風呂がない人たちもいらっしゃるので。
羽渕:
98%ですか?
それでも東京都の人口は1362万人。それの2%ですから・・・
約27万人の人たちがお風呂を必要とされているわけですね。
そのような方たちのためにも銭湯はまだまだ必要ですね。
田村:
そうなんです、まだまだ銭湯は必要とされているんです。
必要としている方が、毎日のように通えるように、
銭湯は価格が自由に設定できないようになってます。
戦後の物価統制令が唯一残ってる業界です。
羽渕
だから460円で入れるのか。でも水道代やガス代を考えると100%赤字ですよね?
田村:
いえ、それが僕たちの銭湯のような「普通公衆浴場」の場合、自治体から助成金がでてるんです。
人件費を原価に含まなければ、成り立ってはいます。でも入浴料の利益率は低いですね。
羽渕
自治体から助成金が出ているのは知らなかった。半官・半民みたいな施設なんですね。
田村:
一方でスーパー銭湯のような「その他の公衆浴場」は助成金が出ない分、自由に価格を設定できます。
羽渕
そういうことか。自由に価格設定ができる分、設備に投資することができるという訳ですね。
田村:
そうですね。町の銭湯はスーパー銭湯に設備面で勝負を挑もうとすると、かなり苦しくなると思います。
羽渕
なるほど、見えてきました。利便性では家のお風呂に敵わず、設備面ではスーパー銭湯には敵わない。
銭湯だけ昔のルールのまま。それは厳しいですね。。。
駒井亮(以下、駒井):
でも、田村さんはそんな状況で、来店者数が1.5倍にふえて、売り上げも2倍になったらしいですよ。
羽渕
えっそうなんですか?
田村:
特別なことは一切してなくて、ただ普通に、接客を心掛けていただけです。
それだけなんですが、徐々にお客さまと売上が伸びていったんですよね・・・。
あれは不思議でした(笑)
駒井:
でも確かに番台の人が素っ気ない銭湯って多い気がしますね。
羽渕:
そうか、価格競争がないってことは、逆にいうと競争しなくてもいいから手を抜けることができるということなのかも。
田村:
やっていることは、特別なことではなく、接客業では当たり前のこと、
挨拶をする、ちょっとした会話をする、とかその程度のことなんですけどね。
駒井
この間、あるお客さんが銭湯に入る前に田村さんと話してたんです。
話が盛り上がって長話しているうちに、終電がきて結局、銭湯に入らずに帰っていきました。
羽渕:
そんな人いるんかい!
駒井:
銭湯に入ってなかったのにめちゃ気持ちよくなって帰って行きました(笑)
田村:
特に一人暮らしの方は家に帰ると喋り相手もいらっしゃらないようなんですよ。
だからなのか、何気ない話でも楽しそうにしてくれますね。
駒井
わかる。
僕も一人暮らしだったとき、誰とも喋らなさすぎて、
どうしても人と話したくなって、コンビニいって店員に応対してもらってました(笑)
羽渕:
なんか見えてきましたよ。
確かになんでもない会話する機会どんどん減ってる。
チェーン店の接客はマニュアルだし、仕事でも要件の話しかしない。
本当はどう思ってるとか、大事なはずなのに。
駒井
本音を語り合う場に銭湯はぴったりですよ。
部活やってたときに、先輩に銭湯に呼ばれることがあって。裸だし隠すものもないので、なんでも話せるんです。
田村:
また、子供からお年寄りまでいるので、いろんな話が聞けておもしろいですよね。
羽渕:
そうか、銭湯に今求められているのは、ズバリ「雑談ができること」なのかも。
田村:
雑談ですか!?雑談でしたら、毎日お客さまとしてますよ!(笑)
羽渕:
雑談というと聞こえが悪いけど、雑談から相手と深い共感ができることが見つかったり、全然違う悩みを解決するヒントが見つかったりするんです。アイスブレイクとかアイデア出しの手法でもよく使います。
駒井:
確かに今回も銭湯の話をするって言ってるのに、煮卵の話していましたね(笑)
羽渕:
ぼくらも打ち合わせの半分は雑談です(笑)
でも一緒に商いする相手なら、雑談をしても飽きない人と付き合うのが一番ですよ。
要件のみ話しても堅苦しいだけでしょう。雑談はちっとも無駄じゃない。
駒井:
雑談ができる場所がつくることで銭湯に人が集まって存続できるということですね。
田村:
でも、ひとつ問題が。
日の出湯には無駄話ができる場所が4名しか座れないので、ずっと座られると他の人が座れなくなってしまいます。
また銭湯も小さいので人が集まっても、銭湯が混んで満足度が下がってしまうんじゃないかって、心配です、。
羽渕:
なるほど。つまり雑談場所の回転率をあげて、客数ではなく客単価もあげる方向で考えないといけないわけか。
田村:
銭湯は価格競争ができないのでやっぱり難しいのかも。
羽渕:
いや、そうでもないですよ。できるとおもいます。
田村:
何かアイデアがあるんですか?教えてください!
(次週へつづく)
羽渕 彰博(株式会社オムスビ founder)
1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月株式会社オムスビ創業。コンセプトデザインを軸に、新商品開発や新規事業立ち上げに携わる。
駒井 亮(株式会社オムスビ co-founder)
人材サービス企業にて事業開発などに従事したのち、Web系企業にてCtoC習い事サービスのマーケティングを担当。現在はビジネスチャットツールを提供する「ChatWork」にて事業開発担当として勤務する傍ら、フリーランスとして職業体験ECサイト「仕事旅行社」のマーケティングを担当している。自分の強みを活かしつつ、2つの企業で働くスタイルを実践中。
2016年4月株式会社オムスビ創業。コンセプトデザインを軸に、新商品開発や新規事業立ち上げに携わる。
関連WEBサイト
Omusubi.inc
つみきキッチン
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