模造紙1枚で売り上げが3倍に!?雑談が銭湯の救世主!

ビール総選挙
「SAVE THE 銭湯!」 とは?
このWEBマガジンは各業界の先頭集団といえるクリエイターや有識者たちと、
銭湯の新しい価値を模索する銭湯集団・日の出湯との対談で成り立つコンテンツ。
毎週水曜日(最終水曜日はお休み)に更新しています。

VOL.13 対談 GUEST

  • 羽渕彰博
    (株式会社オムスビ founder)
  • 駒井亮
    (株式会社オムスビ co-founder)
  • X
  • 田村祐一
    (日の出湯経営者/SAVE THE 銭湯!主宰)

ファインディング銭湯! 今、求められる銭湯のあり方を発見しよう。

対談13 WEEK3
模造紙1枚で売り上げが3倍に!雑談が銭湯の救世主!

先週のSAVETHE銭湯はこちら。→先週のSAVETHE銭湯!
今回のSAVETHE銭湯では、日の出湯の田村と、オムスビの2人のインタビュー第3弾。
銭湯は価格が決まっていて、且つ利用者の満足度を考えるとこれ以上利用人数を増やせない。
八方ふさがりの状況で、解決してくれるのは「雑談」?!

田村祐一 (以下 田村):
あたらしいアイデアがあったら教えてください!!
(先週からの続き)
でも、いいアイデアでも、お客さまが増えすぎるのも辛いです・・・。
というのも、日の出湯はあまり広い銭湯とはいえないので、
お客さまが増えすぎると、お客さまの居心地が悪くなってしまうんですよ・・・。

駒井亮(以下 駒井):
確かに。混んでいると、ぼくもちょっとだけ嫌な感じしますね。

羽渕彰博(以下羽渕):
では客単価を2倍にしたらどうでしょう?
純粋に売り上げ2倍になりますよね。

田村:
そりゃそうですね(笑)
でも銭湯は価格が決まってるので、値段は上げれないのです・・・。

羽渕
銭湯って別に横で他モノやサービスを売ってもいいんですか?

田村:
それは別に大丈夫ですよ。
焼き鳥屋さんが付いてたり、
マッサージ屋さんがついているところもあります。

駒井
そうか、番台にいろんな商品を置けばいいってことですね。

田村:
実際、いろんなものを置いてますよ。ちょっといい国産のタオルとか。

羽渕
んーそれはイマイチ売れてないんじゃないですか?
銭湯でタオル買うときって雨傘と一緒で、拭くものがないから仕方なく買う感じじゃないですか。
いいのを買うって気持ちじゃないですよね。

田村:
そうなんですよね。

駒井:
ここに置いてある制汗シートはどうなんですか?

田村:
一枚も売れてないですね(泣)

羽渕
制汗シートって出先で汗を拭くものやから、銭湯が目の前にあるのにわざわざそれで拭かないでしょうね。。

駒井:
確かにかぶってますね(笑)

田村:
何を置けばいいのだろう。

羽渕:
いや、基本的に新しいものは置かなくてもいいんじゃないですか。
今あるもので。駒井くんは銭湯入った後に何が欲しい?

駒井:
ビールですね。

羽渕:
毎回飲んでるもんね(笑)
ビールはつど消費されるので、もっと飲む人を増やしたらいいんじゃないかな。

田村:
確かに。ドリンク類を一杯飲んでもらえると利益的には助かります。

駒井:
おぉそうなんですか。どうやったら飲む人増えるんだろう。

羽渕:
お気に入りのビールがあったら呑みたくなるんじゃないかな。僕は風呂上がりに、ヤッホーブルーイングの「インドの青鬼」に決めてて。苦くてアルコール度数も高いから、風呂上がりに呑むとクラッとする(笑)

田村:
マニアックですね(笑)

羽渕:
でもほとんどのところに置いてなくて・・・。

駒井:
そりゃそうでしょう(笑)
でも田村さんが好みを聞いて、反映するだけで売り上げ上がりそうですね。

羽渕:
そこにさらに「雑談」を持ってくる。

田村:
そこで「雑談」の登場ですか!

羽渕:
コミュニケーションで必要なのは「聞き手」と「ネタ」です。
「聞き手」は田村さんや他のお客さんがいるから、ビールを「ネタ」にすればいい。

田村:
なるほど。たとえば?

羽渕:
風呂上がりに合うビールを決める「ビール総選挙」とかどうでしょう。
お気に入りのビールを聞けるキッカケになります。
最下位のビールはJリーグと一緒で入れ替え(涙)

駒井:
ビール総選挙!それはお気に入りのビールを応援したくなりますね。

羽渕:
人間はバトルに燃える生き物です。
ビールが実は冷蔵庫の中でシノギを削ってたら面白くありませんか。

田村:
確かにお客さまは好きですね。
野球やサッカー、相撲の勝負事は盛り上がって見てますね(笑)

羽渕:
ちょっとやってみましょう。模造紙とペンを貸してください。

ビール総選挙

ビール総選挙

羽渕:
できた!あとは貼って待つだけ。

2週間後

ビール総選挙

ビール総選挙

2週間後

田村:
ビール総選挙すごいですよ!誰も知らなかった「インドの青鬼」がなぜか一番売れてる!

羽渕:
「インドの青鬼」は飲んだことないからネタになるんです。

田村:
でも飲んだ感想は賛否両論ですけどね。

羽渕:
賛否両論なのがいいんです。SNSで拡散されるのも議論が分かれる投稿でしょう。

田村:
他にもエビスがお気に入りのお客さまが、売れてないから3本も飲んでくれました(笑)

羽渕:
AKBのCDを複数枚買うファンの心理ですね。

田村:
何よりもみんなが、総選挙のボードを見ながら楽しんでいるのが嬉しいですね。

羽渕:
日の出湯のお客さんがビールを話題にしてつながったり、田村さんがお客さんの要望をどんどん取り入れて「MY銭湯」と思ってもらえたら、リピートしてもらえるのではないかと。

田村:
はい、どんどん「My銭湯」と思ってもらえる場にしていきたいです。

羽渕:
ビール選挙はその1歩。目指すところはもっと遠いところになります。

田村:
ほほぉなんでしょう。

羽渕:
その話するためには、「インドの青鬼」が足りなようです(笑)

田村:
もう1杯いきましょう!
(次週につづく)

羽渕 彰博(株式会社オムスビ founder)

1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月株式会社オムスビ創業。コンセプトデザインを軸に、新商品開発や新規事業立ち上げに携わる。

駒井 亮(株式会社オムスビ co-founder)

人材サービス企業にて事業開発などに従事したのち、Web系企業にてCtoC習い事サービスのマーケティングを担当。現在はビジネスチャットツールを提供する「ChatWork」にて事業開発担当として勤務する傍ら、フリーランスとして職業体験ECサイト「仕事旅行社」のマーケティングを担当している。自分の強みを活かしつつ、2つの企業で働くスタイルを実践中。
2016年4月株式会社オムスビ創業。コンセプトデザインを軸に、新商品開発や新規事業立ち上げに携わる。

関連WEBサイト
Omusubi.inc
つみきキッチン

田村 祐一

田村 祐一SAVE THE 銭湯!主催者

投稿者プロフィール

1980年東京都大田区生まれ。
東京蒲田にある大田黒湯温泉第二日の出湯の四代目、銭湯の跡取りとして生まれ育つ。
大学卒業後、家業である有限会社日の出湯に就職。26歳の時に取締役に就任。
2012年5月より創業の地である浅草にある銭湯、日の出湯のマネージャーとして銭湯経営再建に着手。
2012年11月、銭湯を日本の未来に残すプロジェクトの一環として銭湯の未来をつくるWEBマガジン『SAVE THE 銭湯!』を創刊。

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