「未来の銭湯」番頭の役割とは?

「SAVE THE 銭湯!」 とは?
このWEBマガジンは各業界の先頭集団といえるクリエイターや有識者たちと、
銭湯の新しい価値を模索する銭湯集団・日の出湯との対談で成り立つコンテンツ。
毎週水曜日(最終水曜日はお休み)に更新しています。

VOL.8 対談 GUEST

  • 中島 明
    (つなぐ専門家/コミュニティ&イベントプロデューサー)
  • X
  • 田村祐一
    (日の出湯経営者/SAVE THE 銭湯!主宰)

銭湯が地域に寄り添い地域のHUBとなれ!

対談8 with 中島 明 WEEK2
「未来の銭湯」番頭の役割とは?

先週までの対談はこちら
今週の対談では中島さんの「つなぐ」ということと、「銭湯」との関係性についてお話して頂きました。
銭湯とつなぐの関係とは?

銭湯と地域がつながる日!

田村祐一 (以下 田村):
(先週からのつづき)
なるほど・・・。
たしかに銭湯はもっと地域に根ざしていくことが重要ですね。

中島明 (以下中島):
そうですね。
地域に根ざす、地域につながるということですね。

田村:
地域に「つながる」ですか?

中島:
ええ、例えば僕はいつも地域のお祭りに参加してみたいと思うんだけど、これがなかなか参加しづらい。
そういう時に銭湯が地域と繋ぐ役割として地域の行事に参加するクッションのようなな役割として機能できないでしょうか?

田村:
銭湯が地域行事のクッション的な役割ですか!
なるほど、地域に根ざしている=地域とつながっているとも言えますからね!

中島
ひとり暮らしのマンションの人や、外の地域から引っ越してきた人は、地域のことに関わるキッカケってなかなか無いんですよね。
銭湯がそこの間に入って、町内会とつないでお神輿を担ぐキッカケを作ってあげたり、地域行事に関わりやすくしてあげるというのはどうかなあと思うんです。銭湯に通っている人からしたら、町内会よりもきっと銭湯の方が身近な存在なはずですから。

田村:
確かに、外から引っ越してきたらどうやって地域の行事に参加して良いか?なんてわかりませんよね。
とくにマンション暮らしならなおさらです。
銭湯が地域の行事につながる仕組みを作って、地域行事に参加しやすい形をつくっていくということですね?

中島
そうです!まさに地域の行事に参加しやすいキッカケを作る存在になっていく!ということですね。

田村:
銭湯が地域と人をつなぐ存在になれば、それは銭湯だけではなくその地域がどんどん活性化していくということにもなりますね!!

week2_1.png

番頭が地域の人たちをつないでいく存在に。

中島
地域とつながる場所=銭湯と考えると、銭湯はより、地域のコミュニティ的な存在になってくると思います。銭湯って、パブリックなイメージがあると思うんですけど、いまの時代、お風呂(入浴)ってとってもプライベートな活動。シェアハウスやシェアオフィスなど・・・、これだけシェアの時代になっているのに、お風呂だけはプライベートな側面を脱していません。

田村:
そうですね、シェアオフィス、シェアハウス・・・これだけシェアの時代なのにお風呂だけはプライベートのままですからね・・・。
銭湯がライフスタイルの中に組み込まれていない、自分とは無関係な存在にもなっているとも言えますね。

中島
そうですね。
だからこそ、まだまだ「地域とつなぐ」存在としての銭湯には可能性があるんじゃないかと思うんです。そうすると、もっと地域とつなぐ仕掛けやアイデアが必要になってきますね。

田村:
仕掛けやアイデアですか!
具体的に言うとどんなものですか??

中島:
そうですね・・・例えば・・・
「マンション単身者限定DAY!!」なんてつくってもいいかもしれないです。いまの時代、これくらいエッジを立てて、自分のための企画だ!と思ってもらわないと、なかなか振り向いてもらえないですからね。

田村:
なるほど・・・!
これなら、「あ、これは私に向けて言っているな」というのが明確に伝わりますね!

中島
もちろんそれが、自営業限定DAYでも、今年引っ越してきた人限定DAYでも、なんでもいいと思うんです。
対象を決めたそういう企画があって、入浴後、休憩室で集まる時間があって、その仲立ちを番頭がしていく。最初は2人とか3人とかかもしれません。でもそれでいいと思うんです、地域にいろんな人がいて、まずは点線でいいからつないであげる。地域との接点をつけてあげること。
銭湯の可能性として、これはすごくあると思いますよ!

田村:
人と人をつなぐ、人と地域をつなぐ・・・
つなぐ専門家の中島さんらしい素敵なアイデアですね!!!
確かに、地域と人をつないだり、人と人をつないだりということができる場と考えると銭湯の可能性はすごく広がっていきますね!

week2_2.png

異質との出会いの場としての銭湯。

中島
この「つなぐ」というコンセプトの可能性の1つとして、異質との出会いの場ということも考えられます。

田村
異質なものとの出会いですか???

中島
ええ、例えば・・・ネットの検索で例えてみると、検索をする時って、みんな自分が興味のあることしか検索しないんですよ。
あたりまえですけど(笑)

田村
確かにそうですね!
興味の無いことは検索できない。(笑)

中島
ですが、リアルの場ではそれを打ち崩すことができるんですよ!
人は気がつくと親しい人としか付き合わなくなっていきます。

田村:
たしかにそうですね、段々仲の良い人とだけ遊ぶようになっていきますね。
それに、段々と新しい人と出会うきっかけも少なくなっている気がします・・・。
ですが、それだと人生の幅?のようなものが広がっていかないんですよね。

中島:
そうなんです!
たしかに、同質の人が集まることの良さもあると思います。
でも、自分の幅や可能性を広げたかったら、異質との出会いはとても重要です。
銭湯にはその可能性があるんです。
普段出会わないような人との出会い。それが銭湯の醍醐味の一つとも言えます。

田村:
たしかに!
銭湯にはたくさんの色んな方々がいらっしゃいますからね!

中島:
最初は、参加するきっかけを作ってあげるだけでも良いと思うんです。
お風呂は入っても、入らなくてもどちらでもいい。
休憩所で集まって15分くらい話して、続きはお風呂で話したら?とか。
それを番頭さんが少しずつ。つないでいってあげれば、最初は点線だったものがやがて線になって、面になっていきますよ!

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中島 明 つなぐ専門家/コミュニティ&イベントプロデューサー

場づくりと関係構築を専門とし、アナログ・デジタルの両面から、クライアントと生活者の間のコミュニケーションをデザインする。主なプロジェクトに、東日本大震災チャリティセミナー100本プロジェクト「HOPE100」、日本初のイベント主催者のための祭典「Event Festival Tokyo 2013」などがある。プライベートでも同窓会・サークル・記念パーティーなどに関わる、根っからの幹事肌。
関連WEBサイト
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田村 祐一

田村 祐一SAVE THE 銭湯!主催者

投稿者プロフィール

1980年東京都大田区生まれ。
東京蒲田にある大田黒湯温泉第二日の出湯の四代目、銭湯の跡取りとして生まれ育つ。
大学卒業後、家業である有限会社日の出湯に就職。26歳の時に取締役に就任。
2012年5月より創業の地である浅草にある銭湯、日の出湯のマネージャーとして銭湯経営再建に着手。
2012年11月、銭湯を日本の未来に残すプロジェクトの一環として銭湯の未来をつくるWEBマガジン『SAVE THE 銭湯!』を創刊。

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